映画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(ネタバレあり)

ペリリュー旧日本海軍司令部跡入口(写真ACより)。

昨日(2025年12月20日)いつものごとくユナイテッドシネマ大津で映画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』を見てきました。10時20分からだと思っていたら10時50分だったのでギリギリかと思っていたら余裕が出来ました。7時前に朝ごはんを食べて小腹が空いていたので、明太フランスを買って食べたおかげで最後まで落ち着いて見られました。

ネタバレの感想も書く予定ですが、映画を見た後よくわからないところを補足しようと検索かけたら、今回の映画はそれ以外のことも気になったので、まずはそのあたりについて書こうと思います。

原作漫画のWikipediaを見て思ったこと

公式サイトで主役二人のキャラ紹介しかなかったので、正確な名前を確認するためWikiを見に行きました。詳細が書かれていないことも多いのですが、この漫画のページは結構充実していて、漫画の内容だけでなく、背景事情なんかも詳しく書かれていました。その中で一つ気になったのが生存者である永井敬司さんについての記載です。

Wikiが必ずしも正しいことが書かれているとは限らないのも承知はしていますが、ツッコミたいと思ったのでその件について長々書きました😅

なんとなく、この文章に漫画化を受け入れなかった永井さんを非難している雰囲気を感じてしまいました。

馬は、戦争に関する創作物が体験者のリアルをそのまま表現しているものでなくていいと思っているし、表現しきるのは無理だとも思っています。ぬるま湯な平成を生きてきた馬たち現代人にとって、戦争を生きた人達の現実をそのまま直視させられることはしんどいし、最初にそういうのを見せられてしまうと、その後「戦争物」というだけで逃げたくなってしまうかもしれません。フィクションはそのしんどいことを和らげて、戦争を知る良い切っ掛けにはなると思います。この映画(漫画)は、絵柄も可愛くて、今までの戦争物が苦手だった人でも、とっつきやすいうえ、ちゃんと戦争の悲惨さを伝えようとしてくれているので、中高生に是非見てもらいたいなーと思ってます。

でも、戦争経験のある人達が「その経験に関する創作物を何でも受け入れなければならない」とも思いません。

辛い出来事が起こった時間がほんの一瞬であっても、何年経っても気持ちを消化できないってことはあると思います。そう考えると何年もペリリューで辛い状況下にいた人達が、数十年経っても「過去」のこととして消化できてなくてもおかしくないはずです。

また現在はアニメも深夜枠が殆どで大人が見ることを想定していそうですが、馬が中高生の頃はまだ「アニメは(幼児に近い)子供向きの番組で大人が見るものじゃない」という認識をされていました。馬の同級生もそう考えている人も多かったし、馬の親世代は完全にそうでした。ペリリュー生き残りの方々は親の親世代、馬からいうと祖父母の世代です。もっと強くそう思っていそうです。

 昭和20年にペリリュー島から帰還した34名の陸海軍生還者の1人、元陸軍軍曹・永井敬司さんは、「亡くなられた方の為にも、後世に伝え語り継ぐ事は日本の将来につながる事だと思う。将来を担っていく方々が、ペリリュー島について知って伝えていく事と、末永く日本が平和である事を願っています。」と語りました。
よしもとニュースセンター : 終戦72周年企画「平和への思いを紡ぐ、ペリリュー島の記憶」熊本、茨城、東京連携企画始動!

別のところで永井さんは↑のように語っていましたが、それにも関わらず、漫画化への協力を断ったということは、馬の祖父世代の永井さんは「ペリリュー戦の話が子供向きの娯楽作品にされる」と感じてしまったからじゃないかと思いました。

Wikiの元記事や動画が確認できなかったので推測するしかないのですが、その後取材にいった記者は、馬と同じように感じて、その誤解を解こうと思ったのかもしれません。そのやり取りの中で、

永井はペリリューの戦いの惨状を語って涙を浮かべ、「あそこで戦っていない人には分からない」、「ペリリューで亡くなった人を思うと、漫画は軽い。賛成しません」と言った。

↑のような状況になったのかなと想像しました。原作漫画が誤解されているとして、それを解消しようとするなら、永井さんに作品を読んでもらわないといけません。漫画を渡した記者にそういう意図はなかったとしても、その行為が永井さんにとって

”「あなたの遭遇した事件がサイコーのエンタメになりましたよ!」と言われて、その作品を押し付けられる”

行為と同等だったのなら、「記者から本作品の単行本を差し出されても手に取らなかった」のも当然だろうなと思います。↑のセリフは極端にひどい言い方だとは思うけど馬の祖父世代の人ならそれくらいの衝撃だったんじゃないかと勝手に想像しました。

永井さんは漫画化を許せないとかやめろとか言ったわけではありません。「協力しない」だけなので、わざわざその理由を聞きに行く必要もなかったと思います。戦争体験だけに関わらず、

その出来事に傷ついた当事者が、その創作物を受け入れられないという気持ちを、創作物の関係者は尊重して欲しいな

と思った文章でした。永井さんが作品の内容を誤解されたままなのだとしたら残念なことだとは思いますが、経験を過去のものとして受け入れられずに苦しんでいる人に、無理やり辛い思いをさせてまで理解してもらう必要があることとも思えませんでしたし。

~~~ここから映画のネタバレ感想となります~~

作品ネタバレになっているのは最後の箇条書き部分だけだと思う

ネタバレの感想

映画館の宣伝ポスターと映画のチケット。

Wikiに気持ちを殆ど持っていかれましたが😅、映画を見てちゃんと「戦争嫌だなー、平和でよかったなー」と再確認はできました。戦時中は戦闘時以外にも無駄に人が死ぬことが多いことや、戦争が激しくなってきて終戦後までの流れがすごくまとまっていました。上にも書いたのですが、実写だとグロ映像になってしまう場面などが、大分マイルドになっているので中高生にも戦争について知る最初のとっかかりとしてとてもいいと思います。

以下箇条書き

  • 結果でいうと田丸や吉敷が正解だったし、終戦後すぐに投降が出来ていたら生きていた人はもっと多かったのは確かだった。でも当時の人達に正解はわからなかったし、もし終戦が嘘だったり、アメリカ軍に投降者を保護する意思がなかったら、誰かが投降したら全員殺されていた可能性もあったから反対派がいるのも当然だった。終戦を認めるとそれまでの苦労や仲間の死が全部無駄になってしまうので信じたくない気持ちもすごく伝わってきた。
  • 手紙で家族が生きていることを知って投降を勧める手紙を書いたのに、実は生きてなかったことを知った家族は1回期待しただけにショックだったろうなと思った。小杉伍長の奥さんとか。
  • 吉敷君、打たれた時は頬に傷があるだけに見えたので助かると思ってたのに、眼球が出そうになってて結構重症だった。生きて帰国してほしかったなぁ。
  • ペリリューの現地の人達は「コロール島に疎開させられたので、戦闘による死傷者は出なかった」のはよかった。
    ↑の文章のすぐ下に「現地住民の被害が少なかったことは、美談として毎日新聞のコラムなどで掲載されたといわれる(毎日新聞社から出版された舩坂弘の著作「サクラサクラ」1966年か)。」とあるので、別の理由で被害者がいたっぽいのはちょっと気になるけど😅
  • 多分劇中の地図で「ペリリュー」が「ペリリウ」になっていた。ちょっと字面が可愛いなと思った。

参考サイト